さて、イエスの十字架のそばには、イエスの母と、母の姉妹と、クロパの妻マリヤと、マグダラのマリヤとが、たたずんでいた。
(ヨハネによる福音書 19:25)
この女性たちに、何を見ることができるのでしょうか。
母や女性たちの献身的な愛の姿。ただ、彼女たちはそこで何もできない自分たちの無力感を覚えていたかもしれません。
人々の殺意と嘲笑に囲まれて見ているのは、周囲に立ち込める血の匂いと目の前で苦しむ傷だらけの十字架にかけられたイエスさまでした。
あえて言葉で表すならば、吐きそうになる、卒倒しそうになるほどの凄惨な情景がそこにありました。しかも、弟子たちのほとんどは、そこにはいません。
それでもそこに居続け女性たち。そのイエスさまの苦しみと愛の深さをだれよりもそばで目撃した者として証言したのはこの女性たちでした。彼女たちの証言が、今日、私たちが耳にしている十字架の真実です。
彼女たちは3日の後、イエスさまの復活の最初の目撃者ともなりました。その証言は真実です。そう、私たちの救い、私たちの信仰はこの真実の証によっているのです。